Street Ball
茶色い綿のハーフパンツと、白地に赤のボーダーが入った半袖を着た少年が居た。


衣服は砂で汚れてしまっていて、靴は片方が脱げている。


一メートル程離れた場所に有る、小さな靴を拾って少年の元に置いた。


「大丈夫か?」


見た所、小学校の中学年ぐらいだろうと思うが、瞳の縁には悔し涙を滲ませている。


学校、塾、家庭で溜まったストレスの捌け口は、同じ学校や同じクラスの生徒。


そんなストレスを溜める迄勉強して、虐めをしながら育った子供に、親の願う輝かしい未来が有るのだろうかと疑問に思う。


なんせ俺は、数日前に中卒と言う判子を押されたばかりだ。


悔し涙を見せているって事は、多分大丈夫だろうと思い、返事を待たずに歩き出した。
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