Street Ball
「そのバックチェンジが二発が来るって分かってるんだけどな、どうしても一瞬遅れるんだよ。」


そりゃ、俺はその隙を狙ってますからね。


ドリブルをしながら、一瞬でトップスピード近くまで上げられる脚力と、何度も練習した素早いバックチェンジのなせる技だ。


「それより、もうちょっと飛べばエアーウォーク出来るぞ。」


コートの端に居る鉄が、唖然としたまま呆けた声を発した。


エアーウォークは、あのNBAのスーパースターである、マイケルジョーダンが得意としたダンク。


ワンハンドのままフリースローラインから飛び、永遠とも思われる滞空時間が、宙を歩いているように見える事からその名前が付いた。


「まぁ、公式よりリングが低いからな。ほら、行くぞ鉄。」


俺が思いっきりコートに叩きつけたボールをめがけ、鉄がゴール下へ突っ込んでくる。


宙を飛ぶ大型冷蔵庫は、そのまま落ちてくるボールを両手で掴み、破壊的とも感じる程強烈に、ボールをリングへ叩き込んだ。
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