Street Ball
「ま、それでも見て考えを改めろよ。」


コートからは、試合終了の音が聞こえてくる。


赤毛の男は、顎でホワイトボードを指すと、ドアを開けてコートに行ってしまった。


「富さん、彼奴が言ってた事って何?」


如何にも興味が無いと言わんばかりの富さんは、雑誌から視線を外さずに話し出した。


「[HEAT]の下に1、相手チームの下には9って書いてあるだろ。賭けの胴元が出した勝敗予想だよ。」


9対1…俺達が勝つのは10%しか無いって思われてるのか…。


胴元は確か、[BUZZ]ってギャングだった筈。


瞬間的に毛皮のロングコートを羽織った、クラウンのネックレスをぶら下げた男を思い出した。
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