Street Ball

ゴール下を彷徨いている鉄には、角刈りが離れた位置でディフェンスしている。


普通なら、有り得ない光景だ。


どうしても、ゴールから近い位置のシュート率は高くなる。


それを考えれば、鉄にもディフェンスが張り付いて良い筈。


…泰二の３Ｐシュートが強烈だと思われたのか、鉄のオフェンスが弱いと思われたのか…。


「夏目、こっちだ。」


穴だと思われた鉄が、パスを貰いにフリースローライン迄上がって来る。


赤毛の虚を突く素早いパスで、ボールは鉄の元へ向かった…。


「痛ってー！」


叫びながら脇腹を押さえる鉄の横を、俺がパスしたボールが通り過ぎていく。


アウトラインを割って、今度は敵のオフェンス。