Street Ball
「あのつんつん頭が俺にしてるスクリーンは、ニンジャだ。」


「ニンジャってあれか、昔に全日本女子で使ってたやつか?」


傷口を洗い終えた泰二が、水分を補給しながら聞いてきた。


全日本女子が、高さでは適わない世界の選手を相手に、機動力を高めようと編み出したのがニンジャスクリーン。


スクリーン時に相手のユニフォームを手で挟み、一瞬の隙を作る。


それが外国から忍者のようだと言われた事から、ニンジャの名前が付いた。


「俺もムキになって鉄にパスを入れすぎた。後半からは泰二がボールを回してくれ。リードされた分は俺が取り戻す。鉄はその間に気を静めててくれ。」


冷静さを欠くと、プレーが雑になりシュート率が落ちる。


「俺がパサーになるって事は…一回戦でアレを見せても良いのか?」


「一回戦で負けるより良いだろ。それに、ギャラリーの数も減ってきたしな。」
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