Street Ball
それに構わず走っていくと、泰二の放ったパスは強烈なスピンでゆっくり俺の元へ。


サイドラインを割るだろうと高を括っていた赤毛を後方に残し、3Pシュートを放つ。


16対21。


これがまだ、体育館のワックスを掛けたコートの上なら納得も出来るが、目に見えない小さな砂粒や埃が有る中で、ボールが戻ってくるようなスピンをかけるのは生半可な事じゃない。


泰二のスナップが強力なのは、3Pシュートを見ても分かる。


全ては、泰二の手首が強いから出来る技だ。


泰二曰く、前に出したボールの勢いより、曲げたい方の回転を強めれば良いのだとか。


俺も何度かやってみたが、理屈では理解出来ても実際には出来なかった。


つんつん頭が放ったシュートはゴールに嫌われ、今までの鬱憤を晴らすかのように、鉄の力強いリバウンド。


ボールは泰二に戻され、さっきのパスを半信半疑だと思っている赤毛を引き連れ、泰二からのパスを貰う。


慌ててシュートブロックに入った赤毛を見ながら、後ろに飛びながらのフェイダウェイシュートを放つ。
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