Street Ball
近くでディフェンスをしている赤毛達でさえ、泰二のパスを不思議がっている。


離れた位置で見ているギャラリーには、魔法でもかかっているように見えるだろう。


その証拠に、ギャラリーは皆声を出すのも忘れている。


俺が得意としている3Pのフェイダウェイも決まり、19対21。


半信半疑から疑心暗鬼へタッチし、脳内が混乱を起こしている赤毛のドリブルをカットして、連続オフェンス。


泰二から鉄へパスが渡り、ボールは鉄から俺の元へ戻ってきた。


3Pライン上でシュート体勢に入ると、赤毛が阻止しようと突っ込んでくる。


もう周りが見えなくなっている赤毛を難なく躱し、鋭いドライブでゴール下へ向かう。


鉄にラフプレーをしてくれたお返しとばかりに、ブロックしてくる角刈りの上からボールをリングに叩き込んだ。


21対21。
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