Street Ball
自然と一人が起き、それにつられる形で皆の目が覚めた。


磨り硝子の向こうでは、今日も太陽が強い熱を放ち、小鳥達が思い思いにさえずっている。


三人共朝の一服を済ませ、午後から学校に行くという泰二と鉄は帰って行った。


帰りがけに昨日の金を三人で分けると、一人頭四万と少しで、五万には届かない。


それでも高校生という年代にしてみれば、四万という金額は大金だった。


昨日噛みしめた勝利とはまた違う、甘い蜜のような味がする。


六日後の、コートを使用出来る日に会う約束を交わし、寝ぼけ眼を擦る二人を見送った。


「私はどうしよっかなぁ〜。」


二人を見送っている俺の背後から、無理に背伸びした翠が肩越しに顔を出す。


「何だよ。俺はランニングに行くから遊べねぇーよ。」


「へぇ〜、双英ランニングなんてしてたんだ。じゃあつまらないから学校にでも行こっと。まぁ行ってもつまらないけどね。じゃあね双英。」
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