Street Ball
「こんな予想なんて気にする必要無いよ。先週は九対一の予想でも[HEAT]が勝ったんだし。」


初めてマネージャーらしい事を言った翠に、鉄も少し安心したようだった。


「まぁ精々、ギャラリーには損して帰って貰おうぜ。」


前の試合が終わり、三人でコートへ続くドアを開いた。


先週よりは、ギャンブル熱に犯されたギャラリーが明らかに増えている。


時偶聞こえてくる声援は、泰二のトリッキーなプレイに魅了されたギャラリーらしい。


成る可く気にしないようにしながら、バッシュの紐を縛り上げていく。


先に紐を縛り終えた鉄は、相手チームの観察に入った。


「なぁ泰二、今日の試合ではノーマークの時以外3Pを打つな。何とか試合中にモーションを思い出してくれ。パスを出してからは俺もリバウンドに加わるから、リラックスして打てよ。」


「普段ならふざけんなって言う所だけど…今の状態なら正直その方が助かるな。一回限りのトーナメントで負けるよりは良い。」
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