Street Ball
職員室を出た俺は、ポケットからスピリットを取り出した。


「双英、どうだったの?クビ?」


心配そうに駆け寄ってきた翠は、俺の顔をそのまま見上げてくる。


「まぁそんなとこだな。じゃあもう帰るわ。」


火を付けて一息吸い込んだ煙を吐き、翠に笑みを残して校門に向かった。


迎えにも来なかったお袋は、怒り心頭で俺の帰りを待っているだろう。


駅には向かわず、時間を潰そうと街へ繰り出した。
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