Street Ball
二人でバッシュの紐を縛り終えた所で、試合開始の時間が迫る。


最初は、相手チームのオフェンスから始まった。


腰を落としてディフェンスするも、左肩に蓮のワンポイント彫り物を入れた男と、目線の高さは変わりない。


俺より、身長が五センチ以上は低いようだ。


ボールを持っているのは、泰二がディフェンスしている金髪のドレッド。


彼方も同じくらいの身長差だった。


ディフェンスの形から見て、恐らく2フォワードの1センター。


動いたのは、泰二がマークしていた金髪の方だった。


線の細いスキンヘッドのセンターがパスを貰い、走り込んできた泰二のマークマンへパスを手渡す。


そのまま自らが壁となり、金髪にシュートを打たせた。


2対0。


ディフェンスは、幾ら離されずに付いていっても、オフェンスよりは後手後手になる。


その一瞬を突き、仲間がディフェンスとの間に割り込み、壁となってシュートを打たせるのなら、ディフェンスとの身長差は全く関係無くなってしまう。
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