Street Ball
「おいおい…あんなんありか?」


先頭に入っていった鉄が急に立ち止まったお陰で、俺と泰二は前につんのめりそうになった。


鉄の嘆きとも聞こえる呟きを聞き、頭上に疑問符を浮かべながら視線をコートに向ける。


…成る程。鉄が思わず呟いてしまったのも納得だ。


少し距離があるので正確には言えないが、先にコートに居た三人の身長は、僅かに差が有るものの皆2メートル近い。


あの三人と並べば、大型冷蔵庫の鉄が普通に見えてしまう。


先週の試合終わりに、金髪が言っていた言葉を思い出した。


…決勝で当たるチームには勝った事が無い…。


確かに、金髪達チームと比べれば、身長差が30センチは違う筈だ。


金髪達のチームに勝てる見込みが無いとは言わないが、誰の目から見ても厳しいの一言に尽きるだろう。


「鉄、頼んだぞ。」


苦笑いを返してくる鉄の脇を、出来るだけ視線を合わせないようにして通る。
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