Street Ball
中学最後の大会に向け、やり残しの無いように根を詰めた練習。


音を上げたのは後輩達の控え選手ではなく、俺以外のレギュラー組だった。


相手チームの応援団から聞こえてくるカウントは、後半残り五秒…。


一番最初に辛い練習から抜け出した、頼りないセンターが放ったシュートは、惜しいとも感じさせぬ程見事に外れた。


リバウンドを捕られ、頭上を越えていくロングパス。


仮病を使って部活を休んだ、ひ弱なガードがマークしていた相手は、もうハーフコートを越えていた。


ラストカウントは残り四秒。
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