Street Ball
俺の後ろを、泰二も慰めるように鉄の肩に手を置いて付いてくる。


コートに尻を下ろしてバッシュの紐を縛っていると、この一週間頭から離れなかった顔を探していた。


左から、フェンス越しのギャラリーを眺めていく。


半分を過ぎた所で、右端へ一気に視線を飛ばす。


デニム地の白いミニから伸びた足は、背の高いヒールに収まっている。


ダイヤを思わせる臍のピアスは、丈の短いキャミソールとミニの間で、コートの照明を受けてキラキラと輝いていた。


周りの雑音が一切遮断されてしまう程、見惚れてしまう容姿の端麗さ。


俺が特別な訳じゃなく、男なら誰だって視線を奪われてしまう筈だ。


「おい夏目、冗談はさておき、あの身長差をどうする?」


泰二から肩に手を置かれ、止まってしまっていた両手でバッシュの紐を縛り終える。


「上のパスは全てカットされるだろうから、今日はバウンドパスしか出せないだろう。体力の有る前半の内に、何本の3Pを決められるかが勝負だな。」
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