Street Ball
「夏目はフェイドアウェイが有るから未だ良いとして、おれはどうすっかな〜。」


幾ら泰二がクイックにシュートを打ったとしても、あの身長なら打ち落とされるかもしれない。


いざ自分達の身に降りかかると、金髪達の気持ちが良く分かる。


「いっその事、金髪達のプレーをコピーでもするか?」


「いや、金髪の口振りから対戦した事は有りそうだったから、多分対応してくるだろ。」


泰二のシュートがブロックされるのは、飛び切りの得点源を失ってしまう事と同じ。


あの圧倒的な身長差を、どうにかしないと…。


「泰二、今日の3Pはリングの真正面、ガードの位置から打つようにして…ちょっと耳貸せ。」


呆然と相手チームを見つめるだけの鉄を置き、泰二との耳打ちを終えた。


コートの端で悪戯な笑顔が二つ咲くと、試合開始を告げるコールが響いてくる。
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