Street Ball
[HEAT]ボールから、試合はスタートした。


ディフェンスに付かれると、俺と変わらない目線の高さに、改めて身長差を感じる。


鉄のディフェンスは、三人の中でも一番背の高い、坊主頭に剃り込みの入った男。


泰二からパスを貰い、右に左にディフェンスを揺さぶるが、二番目に背の高いニキビ面がしっかり付いてくる。


俺の一歩に対して、ニキビ面は半歩分動くだけ。


「お前等初出場なんだって?紛れでもよく決勝まで来たよ。もう気は済んだだろ?」


初見で嫌なタイプだと感じ取ると、何故か期待を裏切ってくれないから不思議だ。


「お前うるせぇよ。」


泰二へリターンパスを出すと思わせて、右サイドから3Pの体勢に入る。


一瞬だけ惑わされたニキビ面が、両手を上げてブロックしてくる。


このままシュートを打てば間違いなくブロックの餌食だが、後ろへ飛ぶフェイドアウェイのシュートは、ブロック出来まい。
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