Street Ball
俺の予想どおり、放ったボールはニキビ面の両手の上を越えて、リングへと向かった。


0対3。


ボールの行方を見つめていたニキビ面が、俺に背を向けて舌打ちした音が聞こえてくる。


泰二がマークしている、ソフトモヒカンがガードらしい。


俺がディフェンスしているニキビ面は、右ゴール下へ落ちた。


左のゴール下には、鉄のディフェンスする剃り込み。


その位置取りから見て、ガードが一枚のセンターが二枚のチームだと判断した。


五人でプレーする公式とは違い、3on3だとどうしても二つのポジションが空いてしまう。


だが、点取り屋のフォワードを捨てた形が有るとは、考えもしていなかった。


ニキビ面がフリースローラインのハイポストで、ソフトモヒカンからパスを貰う。


後ろにピッタリ張り付いている俺の様子を伺い、攻め込めないと感じ取ると、直ぐ様ソフトモヒカンへボールを戻した。
< 203 / 410 >

この作品をシェア

pagetop