Street Ball
2対6。


試合前に耳打ちしたどおりの結果に、泰二と笑みを交わす。


ガードのポジションからなら、強めに打ってもバックボードに当たる。


最初は力加減が分からずに、数本ぐらい外すのは仕方ないと思っていたが、流石3Pのスペシャリストである泰二だ。


ディフェンスに変わり、ニキビ面へのパスコースと、進路を厳しく両手でチェックする。


この男には、一点も取らせたくない。


意地のディフェンスだ。


ハイポストへ入った剃り込みが、ソフトモヒカンからのパスを貰う。


着地際に左足を鉄の後ろに回し、その左足を軸にターンして、バックボードを使ったバンクシュートを決める。


4対6。


空中でパスをキャッチすると、着地するまでに鉄の動きを見極め、空いてる方のサイドに軸足を着地させる。


それだけで、鉄より一歩分早く動いている事になる。


思わず唸ってしまう程、剃り込みのポストプレーは上手い。
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