Street Ball
泰二からパスを貰い、ゴール下で踏ん張っている鉄へ通す。


右足を軸にターンしてシュートを狙うが、剃り込みのブロックに阻まれる。


鉄がシュートブロックされた所を初めて見たが、シュートブロックされたのも、恐らく初めてだったのではないだろうか…。


そうでなければ、あの奥歯を噛みしめる鉄の表情に説明がつかない。


「鉄、気にすんな。ディフェンスで押さえ込めばチャラだ。」


鉄は何度も頷きを返してくるが、表情は険しいままだった。


オフェンスにもディフェンスにも参加出来ず、リバウンドも取れないとくれば、焦燥感から雑なプレーになる。


そうなる事だけは、なんとしてでも避けたい。


だが、そんな俺の願いも空しく、ソフトモヒカンと剃り込みのラインから攻め込まれ始めた。


6対6。


点差を付けようと焦ったシュートはリングに弾かれ、ディフェンスへと攻守交換。


気付いた時には先週の試合と同じ内容だったが、唯一違うのは、金髪達と同じ運命を辿っているのが[HEAT]という事だった。
< 206 / 410 >

この作品をシェア

pagetop