Street Ball
白いレザーパンツに、磨き上げられた黒い革靴。


光を跳ね返す革靴には、周りの風景を映し出す金具が付いて有る。


薄手なVネックのTシャツは、肌の色を思わせるベージュだった。


パンク調に描かれたTシャツのスカルは、持ち主と同じくニヤケている。

その上に羽織るジャケットは、上下セットのホワイトレザー。


首からぶら下げたネックレスは、奴のトレードマークのクラウンだった。


俺の物だと周りに居る人間へ誇示するように、微笑の女性の肩へ手を回している。


あのニヤケ面が、打破しなければならない試合状況とシンクロして苛ついていく。


王様気取りでぶら下げているクラウンだが、俺の目にはバカ殿にしか見えない。


やっぱり、ロンは好きになれない奴だ。
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