Street Ball
「泰二!」


一足先に、左サイドに抜けていた泰二へパスを出す。


カットされた事に動揺して、動きの遅れたソフトモヒカンがブロックに来る前に3P。


バックせずに放ったボールは、普段どおりの綺麗な弧を描いてネットに吸い込まれた。


28対30。


ゴール後の隙を突かれ、ソフトモヒカンがお返しのミドルシュートを放つ。


リングの縁を一周したボールは、遠心力に負けて零れた。


だが、そのボールを剃り込みがリングの中へ戻すタップシュートでカバー。


30対30。


僅か数秒の逆転だった。


オフェンスに代わり、泰二からバウンドパスが届く。


前半は俺の仕掛けたフェイドアウェイに何度もやられた為、流石にニキビ面のボールチェックが厳しい。
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