Street Ball
30対34。


無駄なドリブル時間が多くなった、ソフトモヒカンから泰二がボールを奪い、俺へパスを寄越した。


鉄が剃り込みをゴール下から引きずり出したのを確認し、シュートフェイクからのドライブ。


抜かれながらも、ニキビ面はしっかりと後ろを付いてくる。


ゴール下目前でドライブの勢いを殺し、背中をニキビ面に預けた。


シュートしようとボールを上に構えれば、後ろからニキビ面にカットされる為、両手は胸元で維持。


いつシュートを打つのかと、狙いを澄ましているニキビ面をあざ笑うかのように、胸元からシュートを放った。


漸く見えたボールの姿に、ニキビ面の右手が動いた時には、ボールはネットの間を通っていた。


30対36。


3Pかと思えば、ドライブで中へ切れ込んでいき、ドライブの印象が頭に残っていれば3Pを放る。


裏かと思えば表。表と思わせておいて裏。


今まで押さえ込まれていた[HEAT]の高波が、次々とリングを襲った。
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