Street Ball
いつの間にか、幾つ曲がり角を曲がったのだろう。


気付けば、覚えのない細道を歩いていた。


この街でも俺の知らない所が在ったのだと思うと、何故か可笑しく感じる。


取り出したスピリットに火を付け、嫌みな程に停滞している雨雲に向かって、一気に煙を吐き出す。


寂しげな場所に不似合いな、騒々しい音が漏れている店の前で足を止めた。


NBAのマーク入りのポスターが貼られた自動ドア。


中の様子は伺えなかったが、俺の足は自然とその中へ引き寄せられた。
< 23 / 410 >

この作品をシェア

pagetop