Street Ball
「ロンとは何時から?」


碧が顔を上げ、長い髪が腕を滑り落ちていく。


潤む大きな瞳には、なんとも言えない感情が垣間見えた。


「何時だったかな…二年は経ってないと思う。あの男に対する恋愛感情は無いのよ。」


吐き捨てるような言い草は、嫌悪感すら抱いてるように見えた。


だったら何故、碧はロンの隣に居るのだろう…。


その言った後の表情は、何かを隠しているようだった。


「だったら…。」


言いかけて、翠の顔が浮かんだ。


「フフ。だったら何故ロンと居るのか?それとも、だったら俺と付き合わないか?」


どちらも完全に見透かされていた。


肌を重ね合わせている時も、俺が絶対的優位には立てなかった。


例えるなら、導かれていたという言葉が合う。


それが不快感に感じなかったのは、そうすると俺も気持ちが良かったからだ。
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