Street Ball
若干の肌寒さで目を覚ますと、碧が隣で安らかな寝息を立てている。


起こさずに見つめていたいと思わせる、端麗な寝顔だ。


しかし、そんな俺の気持ちも知らず、ベッドサイドに脱ぎ捨ててあったデニムから、軽やかな音が流れてきた。


そっとベットから足を下ろし、デニムのポケットから携帯を取り出す。


翠ではありませんようにと願いを込め、意を決して携帯を開いた。


俺の願いが通じたのか、着信の主は泰二。


昨日の事を気にかけているような話し方で、今日も家でシュート練習をしようと誘ってくれた。


断ると気にしているのがバレてしまう為、準備が終わったら行くといって通話を終える。


俺がと言うより、俺の所為で泰二とお袋さんの仲が拗れないか心配なんだけどな…。


「友達?」


携帯をポケットに戻し終え、目覚めてしまった碧の方を振り返える。


「ごめん、起こした?」


シーツに身体を包んでは居るが、白く滑らかな肩が露わになっている。


昨夜の情事の記憶と、目の前の裸体に欲情してしまい、口付けから再び肌を重ね合わせた…。
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