Street Ball
「…なんか、ふっきれたような顔になったな。」


「そうか?でも、言われてみればそうかもな…。」


確かに、心が幾分軽くなった気はする。


胸の支えが取れたようで、頗る(すこぶる)機嫌は良い。


これで空が広々と澄み切った晴天なら、もっと気分は良いのだけど。


「おい、あれ。」


泰二と笑みを交えて話していると、未だフェンスの方を眺めていた鉄が顎をしゃくった。


その方向に、泰二と二人で視線を流す。


翠の居る所とは逆の位置に、碧の肩を抱くロンと、アキを先頭にした[REEF]の二人。


対戦相手がどちらになるのかを見届けに来た[REEF]とは違い、ロンの表情は怒気で満ちている。


普段の余裕ぶっているにやけ面ではなく、俺だけに射るような視線を向けていた。


「なんだか[BUZZ]の大将、夏目の事やたら睨んでないか?」
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