Street Ball
足の間を通すレッグスルーで左手にボールを渡し、左からのバックチェンジで右手へボールを戻す。


そんな急激な振りにも、脹ら脛はしっかり付いていってくれている。


ドライブは無理と判断したのか、シュートモーションからセンターの和志にパス。


タンクトップと同じく、パスを出した長髪も動き出した。


お互いのディフェンスを一歩遅らせようと、スクリーン気味にサイドチェンジ。


和志からのパスは、一歩遅れた泰二がディフェンスするタンクトップへ。


素早いシュートモーションからの３Ｐ。


これを決められたら、かなりの重荷になる事は間違いない。


「掠った！」


ボールに触れたと声を上げる泰二に、鉄が直ぐ様リバウンドの体勢に入る。


俺もリバウンドに加わろうかと思ったが、この長髪を野放しには出来ないと判断し、ディフェンスのままを維持。


心の中で、鉄に任せたと祈った。
< 324 / 410 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop