Street Ball
リングの手前に当たり、ボールが上空に跳ねる。


それを見計らい、同じタイミングで飛んだ鉄と和志。


隆々とした筋肉の、ぶつかり合う激しい音が辺りに響くようだ。


ボールの落下位置としては、若干和志寄りに見える。


両腕を目一杯伸ばし、がっちりとキャッチしに行っている。


その太い両腕にボールが収まりかけた時、鉄の片手が伸びてきた。


奪うようにして片手でボールを掴み、着地と共に腹の前でボールをキープ。


「泰二！」


シュートブロックに飛んだ泰二は、いち早く攻守を切り替え、３Ｐラインの外でパスが届くのを身構えていた。


このシュートを決められたらと思っていたのは、お互い同じだったらしい。


焦って意志疎通がないまま、タンクトップと長髪が斜めにシュートブロックに飛ぶ。


クイックなシュートモーションから、ボールを放つ前に俺へバウンドパス。


パスを受けて後ろへ下がり、心の支えが取れてから初めての３Ｐシュートを放つ。
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