Street Ball
「そんな事で…そんな自分の不注意で出来た怪我で、バスケを恨んでるのかよ!」


「そんな事?医者に一生治らないと言われた怪我だぞ?その怪我のお陰でバスケ部から追い出され、それまでちやほやしてた奴等は、皆俺の元から去ってったよ。自分にはバスケしかないと思ってるお前なら、それがどんなに惨めか分かるだろ?」


…言葉を無くした。


俺だって、決勝が終わってからどうしようかと、途方に暮れていた身。


バスケはしなくなるだろうと思っていたが、それはあくまで自分で決めた事だ。


バスケを取り上げられた訳じゃない。


その部分だけは、プレイヤーとして同情も出来た。


でも、富さんの心を深く抉ったのは、もう用済みだと思って去っていった人々だと思う。


人の心を傷つけるのは言葉や態度、そして人の心だ。


怪我は、その切っ掛けにすぎない。


「それから俺や碧さんの前からも、富さんは姿を消したんだ。漸く見つけ出した時には、バスケへの復讐を誓って[SB]を出した後だったよ。」


[エデン]で碧と呑んだ時に、碧は俺と似たプレーをする人を好きだったと言っていた。


…それが富さん?
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