Street Ball
「時間は?」


出て行った黒ニットキャップの卓を見つめながら、俺は誰に聞くでもないように言葉を発した。


「前半後半で十分ずつ。間のハーフタイムは五分な。」


雑誌から視線を外さないまま、興味なさげに富は答えた。


昔の公式戦は、前半後半二十分ずつの十分ハーフ。


今では第一クォーター十分の、第四クォーター迄有るのが公式ルール。


俺が慣れ親しんだのは、前半後半で分かれていた方だ。


それを聞き、俺は意を決してレジ前のドアを開いた。
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