Street Ball
肩で大きく息をしている俺は、声を出すのも嫌だった。


「テメェ、ちょっと来い!」


頭を持ち上げるのも面倒だった俺の首根っこを掴むと、翔は俺を店外へと引きずっていった。


店外へ出ると、隣の店のシャッターへと突っ込まされた。


俺の視界に広がるのは、絵心0のヘボいグラフティ。


力任せに掴みかかられ、龍の巻き付いた腕が俺の顔面へと飛んでくる。


ガードするのも避けるのも面倒だ…。


「出来もしねぇ事するんじゃねぇ!テメェのお陰でこっちは大損こいたんだぞこの野郎!」
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