Street Ball
殴られ、蹴られ、投げ飛ばされ…追い打ちをかける罵声を全身に浴びせられた。


俺の前を通っていく奴等の、蔑んだ見下しの視線を、為す術も無いまま見据えていた。


偶に立ち止まった奴が居るかと思えば、同じく罵声を吐くギャラリーだった。


昼間の熱が未だ残っているアスファルトに転がされ、俺の隣には誰かが吐き捨てた唾が残っていた。


「もうその辺で良いだろ?帰るぞ。」


一部始終を見ていた卓に連れられ、翔は最後に俺の腹へ蹴りを入れて帰って行った。


殴られすぎて、頭の中で大きな鐘が鳴っている。


蹴られすぎて、身体中からギシギシと軋む音がする。


罵声を浴びせられた心は、唯一の取り柄だったバスケ失って酷く痛んだ…。
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