Street Ball
バスケとは、本来身体を触れないで行うスポーツだ。


それがゴール下での争いから、有る程度は身体をぶつけても良くなった。


だが、あれは行き過ぎだ。


「一言で言うと、ラフプレー有りのバスケかな?まぁそれも、DJブースに居る審判の目を誤魔化せばの話しだがな。」


ポケットからスピリットを取り出し、震える手で一本引き抜くと、半分から先が折れていた。


募った苛立ちに任せ、舌打ちと共にパッケージを握り潰す。


「フェンスに突き刺さっていた金を見ただろ?勝敗だけじゃなく、試合には金まで賭かってるんだ。熱くなるのも当然だろ?ギャラリーは金を賭け、プレイヤーは自分のチームに最低三万の金を賭けるんだよ。」


…それで翔は、大損だって言ったのか。
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