Street Ball
彼女が出来れば、何か今までとは違う事をしなくちゃいけないのかと、そんな風に考えてた。


なんせ、今まで付き合った経験なんてないのだから。


右も左も分からないが、正面には翠が居る。


結果的に付き合ったのだけれど、二人の間に流れる空気は、今まで何も変わりはなかった。


特別な事なんて、今はしなくても良いのかな?


「昨日の[SB]に行ってくる。ボロッボロにやられたけどさ、Street Ballって名前も違うけど、もう一回バスケをやってみたくなったんだ。」


知らぬ間に上がっていた口角が痛んで、思わず顔を崩した。


「双英の笑った顔なんて、久しぶりに見た気がする。」


そう言われてみれば、最近で笑った記憶なんて無かった。
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