一生もんの道化師
独身で一人暮らしで恋人いない歴7年目に突入で、女友達はみんな彼氏持ちでそっちとの約束が最優先に決まってて、イブだからって浮かれるような予定など何一つない私のような立場の人ももちろん中にはいるだろうけれど、よっぽど急ぎの仕事を抱えていない限りは周りが早じまいするなら自分もそれに倣おう、という考えに至るハズ。
現に19時を過ぎた今、このフロアには私と高藤さんしか残っていなかった。
一か八かの賭けであった「一旦退社してコンビニや本屋で時間をつぶしたあと忘れ物したふりをしてカムバックして高藤さんと二人きりになろう大作戦」は見事に成功したという訳だ。
私は一番上の引き出しを開けると「あ、あったあった~」とかわざとらしく声を上げながら定期券を手に取った。
「珍しいね」
「え?」
「普通そういうのって、通勤用のバッグとかに入れっぱなしにしておかない?わざわざ取り出してそこに置いといたんだ?」
うっ。
な、何て鋭くて的確なツッコミなんだ!
さすが将来有望な、我が営業二課の若きホープ。
現に19時を過ぎた今、このフロアには私と高藤さんしか残っていなかった。
一か八かの賭けであった「一旦退社してコンビニや本屋で時間をつぶしたあと忘れ物したふりをしてカムバックして高藤さんと二人きりになろう大作戦」は見事に成功したという訳だ。
私は一番上の引き出しを開けると「あ、あったあった~」とかわざとらしく声を上げながら定期券を手に取った。
「珍しいね」
「え?」
「普通そういうのって、通勤用のバッグとかに入れっぱなしにしておかない?わざわざ取り出してそこに置いといたんだ?」
うっ。
な、何て鋭くて的確なツッコミなんだ!
さすが将来有望な、我が営業二課の若きホープ。