僕は猫 【この空を見る方法Another Story 】完結
♯3
僕はまた家に住みたい。
暖かい場所が好き。
家族って言ってくれることが好き。
願ってみればいいやん?
人間は僕に言ってる…。
僕は目をそらして興味のないふりをした。
じぁね!
あ。。。。
窓が閉まってまた声と音が聞こえてきた。
声はきっと今の人間、音はあの木の長いのだ!
次の日また同じ場所で丸くなった。
また窓が開く。
今度は隠れなかった。
なんだまたいたのか!
僕は動けなかった。
いつもそこにいるん??
…僕は話すことはできない。
窓は閉めないといけないんよ…1人?
…猫だよ…1人だよ…。
よくわからない。
独り言が好きな人間だな。
次の日も僕は行った。
天気が良くて立ち止まることなく塀まで行った。
少し早くついた。
部屋が真っ暗で声もしない。
しばらく待っていると部屋の灯りがついた。
この人間も1人なのかな。
音が聞こえてきた。
今日は声も音も寂しく感じる。
どれだけ聞いただろう。毎日行った。
僕は街に行った時に音楽っていう言葉を聞いた。
音楽…。
声と音…そうか音楽をしているんだ。
毎日1人で音楽してるのかな…。僕が聞いた音楽はたくさんの人がいた。
1人なのは僕だけだよね…
その日窓は開かなかった。
次の日塀に行くと猫の餌が置いてあった。
入れ物に入っていた。
あの人間が置いたのかな…。
その日も窓は開かなかった。
次の日も猫の餌が置いてあった。
部屋の灯りがついてすぐに消えた。
その日は音も声もなく窓も開くことはなかった。
なんだ…。
どうしたんだろう…。
僕は朝までその場所にいた。人間が出てくるのを待った。
出てきた。
雨が降る中歩いて出て行く。
僕はついていく。
駅だ…人間が多い。
改札を通って人混みの中に消えて行った。
その日の夜は音も声も聞こえてきた。
僕が聞いていた声は歌っていうらしい。
窓が開く。
久しぶりにみる人間の顔。少し細くなった気がした。
今日もいたん?
ご飯食べた??
…また話しかけている。
こっちにくれば?
家ないんやろ?
…。。。入っておいでってことかな…
そんなところにいないでさ!おいで。網戸が開く。
…どうしよう。
罠なのか…罠か…。。。