僕は猫 【この空を見る方法Another Story 】完結
♯4
これ!ほら!
あっ…木に糸が張ったやつ…
これ見たかったんじゃない?
僕はブロックからおもいっきり飛んだ。
人間の胸のあたりをめがけて飛んだ。
…痛い。。。
受け止めるの下手だ…。
頭うったよ。くぅ…痛いなぁ。
あっと、ごめんごめん!!
絆創膏貼る?
湿布のほうがいいんかな…。
僕は絆創膏を貼られた。
これは効果もなくて痛みもおさまらなくて、剥がす時に毛が抜けて…この人間に噛み付いてやろうと思った。
だけど、なんだか優しくしてくれたから許してあげた。
この人間は音楽の話になるとよく話す。
身振りをして楽しそうに話す。
ギター。
ギターっていう。
楽器。
楽器っていう。
歌。
…ギターという楽器を弾いて歌っていたんだ!!
僕は興味が湧いた。
ギター弾いてみる?
…弾けないよ猫だよ。。。
部屋の中は暖かいと思ったけどそうでもなかった。
人間はフカフカした毛布を置いた。
僕がそこに座ると毛布で包んだ。
ギュッてしてる。
温かい。人間は温かい。
懐かしいな…。
…この人間は1人なのかな、僕が前に居たところはもっとたくさんの人がいて賑やかだった。
大きなテレビがあってご飯がたくさんあって、人間の食べ物を僕にくれた。
毛布からはラベンダーのにおいがした。
いつも使っていたのかな…
猫!
ん?
突然呼ばれた。