そしてまた、キミに。



「なぁ、俺に勉強教えてーや」


「やだ」


「そんな意地悪言わんとって」


「…愛子に教えて貰いなよ」


「松田さんとは数学一緒に勉強してんの。
だから、後は坂口さんが担当」


「アタシは教えてあげないよ」


清水君が「もー」と頬を膨らませる。



「じゃあ、
俺がジャンケン勝ったら教えて」

「ジャンケンしないもん」

「じゃあ、
お金払うから家庭教師になって」

「別にお金いらない」

「じゃあ、ケーキ買ったるから」

「甘いもの好きじゃない」

「じゃあ…」

「やだ」

「まだ何も言ってないやん!笑
もー、坂口さん俺のこと嫌いなん?」

「うん」





少しの沈黙のあと、
清水君がバッと勢いよくアタシを見る。



「……」

う…

そんな可哀相な目で見ないでよ。


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