そしてまた、キミに。
「いってきまーす」
約束の時間が近づいて慌てて家を出ようと
玄関に向かうと、丁度弟が帰ってきた。
「あ。おかえり、大輝」
「ただいま」
大輝(ダイキ)は15歳の中学3年生。
私と違って大人っぽい大輝は、
学校でも結構モテるらしい。
ついこの間まで私の後ろを着いてくるようなカワイイ弟だったのに。
成長ってコワイなぁ。
制服を着崩した姿を見て
そんなことを考えていたら、
大輝が眉間にシワを寄せて
私をマジマジと見た。
??
「何、姉ちゃん。
…デート?」
「な、違うよっ
優とご飯だよ」
「何だ、よかった。
優ちゃんによろしくねー」
手をヒラヒラと振って
大輝は自分の部屋に向かった。
何がよかったのかよくわからないけど
急いでいたので気にせず家を出た。