そしてまた、キミに。
曇っていく表情に気づいた先生が
優しく微笑む。
「…もう少し探そうか」
駐車場の辺りまで戻ったけど
二人の姿は全然見つからない。
「おかしいな…」
いつも冷静な先生に
少し焦りが見え始める。
そのときはまさか二人が
座っているなんて思わなくて、
近くにいる二人に気づかずに
またさっきいた場所に引き返した。
先生が腕時計を見る。
「ダメだ…もう始まるな」
「私、優に電話してみます」
この人混みの中で
気づかないかもしれないけど。
それに清水君の連絡先は知らないし…