そしてまた、キミに。



優は病院には来なかった。

先生から連絡があったはずなのに、優はまだ公園で晃を待っていた。

電話にも出ない、家にも帰ってないと聞いて、公園で待ち合わせることを知っていた私は、慌てて優を迎えに行った。


優はベンチに座って、一点を見つめたまま

『晃がまだ来てないから…』

と、壊れた機械のように
それだけを繰り返した。



次の日、悲しみに暮れる教室に
今日は休むだろうと思っていた優が来た。

そして、教室中に響き渡る声で

『あれ?今日はまだ晃来てないんだ』

と、言った。


『なんでみんなそんな顔してるの?
どうしたの?』

と。


< 219 / 417 >

この作品をシェア

pagetop