そしてまた、キミに。
「…痛い?」
と聞きながら、なぜか青黒い部分に触れようとする坂口さん。
「ちょ、ちょっと…」
近づいてくる指先を触れる寸前のところで掴んで止める。
「アカン、アカン!
触ったらさすがに痛いわ」
と言うか、
痛いところを触ろうとするって、、
「どんだけSやねん…」
俺が心の声を漏らすように言った言葉に、
坂口さんは「何が?」とキョトンとしていた。
掴んだ指先がひんやりと冷たい。
手を掴まれていることなんか全く気にしていないようで、
「…ちゃんと冷やした?」
なんて言いながら、
心配そうに俺のスネを見つめている。
指先に触れているだけでも
俺はこんなにドキドキしてるのに。
なんでそんなに余裕なん…
「…聞いてる?」
返事をしない俺に、
坂口さんは顔を上げて尋ねてくる。