そしてまた、キミに。
っ…?
一瞬ドキッとしたけど、目は合っているはずなのに焦点がずているような感じがする。
俺を見ているけど、見えてないような…
大きく手を振って見せると
坂口さんはハッと目を見開き数回瞬きをして、何事もなかったかのように歩き去ってしまった。
あれ…
どうしたんやろ。
こっちを見る坂口さんは、
どこかさみしそうな目をしていた。
取り残されたように、坂口さんがいた場所を見たままボーっとしていると、
頭に何かがぶつかった。
「いてっ」
目の前にバスケットボールが落ちる。
「何してんだよ、亮」
振り向くと、バスケをして待っていたはずのみんなが、俺を見て笑っていた。
「見つめ合ってんじゃねーよ」
「そ、そんなんちゃうし!!」
「アハハハ」