そしてまた、キミに。
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「大輝は彼女おるん?」
「いますよ。
もうすぐ一年になります」
バイトの帰り。
教育係の俺は、大輝とほとんどシフトが同じで、途中まで一緒に帰りながらたわいない話をしていた。
「やんな。
大輝、モテそうやもん」
「そんなことないっすよ。
それは亮さんのほうでしょ」
「大輝には負けるわ(笑)
俺、彼女おらんし」
「意外ですね。
好きな人はいるんですか?」
…ギク。
「いるんすね。
亮さん、わかりやすい」
クスクスと笑う大輝。
不覚にも後輩に心を読み取られた俺は、
慌てて話を切り替える。
「彼女はどんな子なん?
同級生?」
「中学の同級生です。
性格良いし、可愛いっすよ」
そんな恥ずかしいことを、
大輝はサラッと言って見せる。