そしてまた、キミに。
「早く」と言いたげに、目をキラキラ輝かせながら俺の言葉を待つ大輝。
何でそんなに気になるのか不思議に思いながらも、弱みを握られてしまった俺は重い口を開く。
「俺の好きな人は…」
言いかけたとき、
通りかかったコンビニから出てきた人物に驚いて立ち止まる。
「…!」
コンビニから出てきたのは、今まさに頭に思い浮かべていた人だった。
「坂…」
「…優ちゃん?」
…え?
声をかけようとした俺よりも先に、
大輝が彼女の名前を呼んだ。
こっちに気づいた坂口さんが顔を上げる。
「…あ」
「やっぱり優ちゃんだ!
久しぶり〜」
大輝は坂口さんの側に駆け寄って、
仲良さげに話し始める。
「…久しぶりだね」
「優ちゃん、ちょっと痩せた?」
「…そうかな。
そんな変わんないよ」
…。