そしてまた、キミに。



「…清水君と大輝は何で一緒にいるの?」

「大輝がさ、
俺の働いてるレストランに来てん」


「…あー、あのレストラン?」

「そーそー!
少し前から一緒に働いてんねん」

「…ふーん」




「あ!そう言えば今日、
また体育休んでたやろ」

「…なんで知ってるの?」


「俺がいた教室の
すぐ下の木陰におったから。

だからさ、紙ひこうき飛ばしてやろうと思ってプリント折っとったら、
めっちゃ先生にキレられてん」

「…フ」


「『お前舐めてんのか!?』って。
なんか今日の化学の先生、めっちゃ機嫌悪かったわ」

坂口さんが若干バカにしたように
クスクスと笑っている。


「もー。
坂口さんのせいやねんでー」

なんて怒りながら口は綻んでしまう。



なんだかんだ、会えたことが嬉しくて話すことに夢中になっていた俺は、大輝が複雑な表情を浮かべていたことに全く気づかなかった。


< 252 / 417 >

この作品をシェア

pagetop