そしてまた、キミに。
「…すごい楽しそうに話してたんだ」
「…え?」
「亮さんが転校してきてから
姉ちゃん、すごい楽しそうに亮さんの話するんだよ。
今日こんなことしてたとか、
こんな面白い話してくれたとか…」
「…」
「なんか姉ちゃんがこんなに嬉しそうに話すのって久しぶりだなって。
いつも笑顔だったけど、自分から楽しそうに話をしてくるのはすごい久しぶりだったからさ…
俺もすげー嬉しかったの」
「…そっか」
「だから、ずっと会いたかった亮さんに会えて、すごい感動した。
思ってた通り…いや、思ってた以上に良い人だったから」
「……うん」
「でも姉ちゃん、少し前から亮さんの話をしなくなったんだよね。
まー、クラスが離れたっていうのもあると思うけど」
アタシも…なんとなく感づいていた。
愛子が気持ちを隠すように、清水君から離れていくのを。