そしてまた、キミに。
【愛子side】



「優ー?」


あれ。
もう帰っちゃったのかな…



放課後、優の姿を探していたら
優のクラスの女の子が声をかけてくれた。


「坂口さん、お昼頃に帰ってたよ」

「…そうなんだ。ありがとう」


やっぱり帰っちゃったんだ…



クラスが離れてからは、帰りはいつも
私が優のクラスに迎えに行って一緒に帰っていた。

だけどたまに、先に帰ってしまっていることがあって、それに気づくのはここに迎えに来てから。

前は何でも連絡してくれていたんだけど…


最近、少し距離を感じる気がする。




靴を履き替えて、視界に入った優の靴箱を見つめポツリと呟く。


「優、大丈夫かなぁ…」


< 257 / 417 >

この作品をシェア

pagetop