そしてまた、キミに。



「俺、アホやからうまく言われへんけど
こんなに誰かの笑顔をみたいって思ったのも、こんなに誰かのことを好きになったのも初めてでさ…

理由は、、俺にもわからへんけど
好きやねん…坂口さんが。」



「……」





静かに流れる時間。


自然と目が合い、見つめ合う。







しばらくして打ち上がった花火の大きな音にハッと我に返った俺は、
慌てて目を逸らし言い訳をする。


「ぅわっ…ごめん!
何言ってるんやろ、俺っっ」


顔に熱がこみ上げてくるのがわかる。

なんか俺、すごいこと言った…やんな?
この前みたいに熱のせいにもできひんし、
恥ずかしすぎるんやけど…



「なんか、、答えにもなってへんなっっ
ごめんっ…今のはその……」


上手い言い訳も浮かばなくて、恥ずかしさに戸惑っていると

坂口さんは何も言わずに首を横に振った。


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