そしてまた、キミに。



いつもより早く家を出てしまった私は、少しだけ遠回りな道で学校に向かうことにした。


前を歩く女の子たちの会話が耳に入る。


「私ね、好きな人出来たの」

「えー!誰、誰!?
同じクラスの人?」

「まだ誰にも言ってないから、
絶対秘密だよ」



…そういえば、優と恋バナなんて
いつ以来してないっけ。

幼馴染の優とは、小さい頃からお互い隠し事なんて一つもなかった。

だけど、先生が好きだと気づいたことは
まだ優に話していないし、優が清水君のことをどう思っているのかも私は知らない。

隠していたわけではないけど、ほとんど毎日会っているのにその話をすることはなかった。



優に…話したいな。

宮本先生のことが好きだって言ったら、
優はどんな顔をするだろう…


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